この間、珍しく歌舞伎を見に行ったら、一辺ではまってしまった。

なので早速帰って来てから図書館に行き、歌舞伎関連の書を二、三冊借りて来た。

有名な山川静夫さん著の歌舞伎入門本や、歌舞伎十八番の本など、写真中心の簡単なやつである。

これを見て私は、かなり度肝抜かれた。

以前から、歌舞伎十八番のことはおぼろげながら、歴史でならった概要程度には知っていた。

しかし、内容は伴っておらず、度派手なクマドリをするやつでしょ。くらいだった。

甘かった。認識不足だった。

まず、「助六」という話があるのだが、主人公の助六が敵役の意休という老人に喧嘩をうるのだが、

[自分の履いていた下駄を、意休の頭に乗せて、喧嘩を売る助六]

とある。え。なに。その喧嘩の売り方は何?

また、「矢の根」では、

[大根を付けた馬を無理やり奪い、大根を鞭に裸馬にうち乗る]

大根を鞭。手に大根を持ち、振り上げて迫力満点の写真が掲載されている。

「象引」という演目では、まっしろな象の人形が、花道からあらわれ、だいの大人が二人して象をひっぱりあっているし、「毛抜」は、巨大な毛抜きで、天井に隠してある磁石に気付く。なぜ?なぜ毛抜き。ほかにも金目のものがあるだろ。

わたしは、江戸文化の、歌舞伎の懐の深さ、奥深さを見る思いがした。

すばらしい。すばらしすぎる。大好きだ。

ますます歌舞伎好きになってきた今日この頃である。