夜、よく行く喫茶店のうちの一つに入って、ぼおっと店内を眺めていると
とてもいい気分がしてミステリでも読みたくなってくる。
ニューヨーカーの短編集でもいいけれど、
店の空気やら明かりやらがミステリにちょうどいい気がしてくる。
では早速カバンから探しだして読むことにしよう。

うまい具合に今日はエラリー・クイーンの1ページも読んでないのが
入っている。これは「新冒険」。
短編ものできれいなのを近所の古本屋で見つけることができたので
(クイーンの短編できれいなのはなかなかないので)
うれしくって持ち歩いていたのだ。
表紙も素敵だし、前を見たり後ろを見たりで本編にぜんぜん進めない。
面白いに決まっているから読む前からドキドキしてしまう。

コーヒーが来たから作業をちょっと中断しよう。
ここのコーヒーは薄くってミルクの量に気をつけないと味やにおいが
ミルクになってしまう。それがいいんだけど。

店にはジャズが流れていて、しかも好きな感じのがかかっている。
スピーカーの近くでよかった。
ゆっくり本が読めそうだ。

実はまよっていたのだ。
コーヒーは高いけれど確実に好きな感じの音楽がかかっているところと、
コーヒーは安いけれど何がかかるかわからないこの店と。
でも足が暗がりの方に向いてしまったから、結局安いほうにしちゃった。
今日は当たり。楽しくってしょうがない。

本当はクイーンのこととか書きたいけれどそんなスペースもないことだし
今度気がむいたらにしよう。
もうどこで切り上げてよいものかわからなくなっちゃった。
次回はこのあいだ喫茶仲間と話していたことを書こうかな。

とりあえず今晩は閉店までジャズとミステリの勉強をしてみよう。

(植草甚一風に書いてみました。)